KOUSAKA KIKYOU

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聞く気もない・・

妙な男に出会った・・本番前の予行練習のように暑くなりだした朝・・ギラギラの太陽が降り注ぐ香坂のパネル群を抜け・・スーパー林道へと出る・・妙義荒船線という標高1200~1300の軽井沢と下仁田方面へと続く人っ子ひとりいない林道だ・・人に出逢うよりも鹿やヤマドリちゃんにリスちゃん・・はたまた番長の森のクマさん達に挨拶する方が多い道・・無論・・車とすれ違う事も10回に1回あればの確率・・水を汲みに来る人か・・猟師さんくらい・・雨期に入り林道は新緑を突き抜けジャングルと化してきているが・・景色もビューで空気も旨い気持ちのいい道だ・・いつものように軽井沢町の標識を過ぎると絶景の浅間山へご挨拶

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・・ここから八風山の登山口へと下りだす・・そのまさに・・八風山の入り口のカーブに1台の大型トラックが止まっていた・・いわゆる箱の運送会社の様な大型トラックだ・・
使用人「・・珍しいな・・こんな所に・・良く登ってきたなぁ・・」
隣りを通り抜けようと運転席をチラ見する・・ドライバーはいない・・すると反対方向から駆け寄る運転手らしき人影・・ちょっと待って!・・と言わんばかりに手を振りながら慌てている様子・・トラックの故障か何かかなぁ・・などと思いながら停まると速足で近寄ってくる男・・人気の無い場所なだけに心の中で少しだけ警戒アラートが鳴る・・
男「・・すっ・・すいませ・・ん・・こっ・・ここに・・ここにっ・・行きたいんですがぁ・・なっ・・なぜかナビがこっちの道を行けって言うんですよぉ・・」
コッチの道・・と男が言っている道は・・八風山の入り口の脇にある舗装もされていない道の事を言っていた・・おそらく・・軽井沢町発地の山深い所を下りては行けそうな道ではあるのだが・・いかんせんわたくしも入ったことのない道・・いつか女将と探検したいなぁ・・などと思いながら通り過ぎていた謎の入り口なのだ・・ここを・・大型トラックで降りようとしているのだ・・この男は・・道の様子を歩いて下見していたが車が通りかかったのでチャンスとばかりに駆け寄りスマホのグーグルマップをわたしに見せてくる男・・距離が近い・・運送業のドライバーさんに割と多い・・と言ってはちゃんとしているドライバーさんんに叱られるが・・汗とタバコと生乾きの臭いが私の軽トラの中に流れ込む・・距離が近い・・たま~に出会う事があるが・・人との距離感が異状に近い人がいる・・良いとか悪いとか言っているのではない・・そういう人がいるという事を言っているだけだ・・この男もまさに近い男だったのだ・・良い悪いは抜きにしても・・わたくしはあまり得意ではないグイグイの距離間にマジマジと男の顔を見る・・40半ば位だろうか・・斜視を患っているのか焦点が合わない・・いや・・斜視のせいなのかと思うほど慌てテンパっている眼球が小刻みに動いていた・・
男「・・ほっ‥ホラぁ~見て下さいよぉ・・ここを降りろって言ってるんですよぉ・・この道ってぇ・・行けますかねぇ・・?・・」
グイグイにスマホを見せてくる男・・明らかに間違った道を登り詰め・・しょうがなくナビもそこを行けと言っているように見える・・
使用人「・・いやいやいや・・そこの目的地はわたし知りませんが・・この大型でそんなところ入らない方がいいと思いますよぉ・・ハマったら脱出できなくなりますよぉ・・」
男「・・でもみて下さいよぉ・・ここを指してるじゃないですかぁ・・行けますか?・・ここ?・・」
到着時間が押しているのか・・動揺し一向に噛み合わない会話・・子供に諭すような口調へと切り替える・・
使用人「・・どうやってここまで来たのかなぁ?・・」
男「・・えっ・・?・・どうやってって・・ずっと下道で来ました・・」
明らかに間違った登り口を登って来たことを理解させるために聞いた言葉だったが・・下道とは恐れ入る・・高速道路とか下道とか聞いているのではないのだ・・
使用人「・・えっ?・・いま・・この道を登ってきたんだよねぇ?・・この道自体が間違ってると思うよぉ・・」
たしかに発地の山の中にありそうな目的地だが・・いちど下へ降り・・西へ迂回すれば下から登れるちゃんとした道があるはずだ・・それをこの男は・・上から攻めようとしているのだ・・舗装もされていない藪だらけの道を・・無謀にもほどがある・・その旨を伝えると・・
男「・・えっ・・?・・だっ・・だってぇ・・そっちからも行ってみたけど・・家を建てている所があって通行止めだったもん・・」
この男のいう事が正しければ・・わたしも軽井沢側へは降りられないという事になる・・いやいや・・すでに何百回と通っている道・・どう考えてもそんなことありえない・・展開の無い噛み合わない会話に嫌気がさし始める・・
使用人「・・とにかくそこは降りない方が利口だと思いますよぉ・・わたしも下まで降りるのでぇ・・迂回できる道までついてくるかい?・・」
男「・・え~っ・・マジかよ~・・えっ?・・ここ・・降りられないのぉ・・?・・」
使用人「・・わたしも降りたことないから解らないけどねぇ・・」
男「・・え~っ・・戻んのかよぉ~・・マジか~っ・・どうすんかなぁ~・・あっ・・わかりましたぁ・・もういいですぅ・・」
トラックへと戻ってゆく納得のいかない男・・後姿をサイドミラーで流し見ながら発進する・・たいした助言もできなかったが・・割と無礼な男に時間を割いてしまったことを後悔する・・まぁ焦っていたのだろうと言い聞かせながら山を下りると・・案の定・・通行止めなどドコへやら・・あのノリだと・・1度はチャレンジしたのかもしれない・・大型であの道を下れたのかもしれない・・だがもし前にも後にも動けなくなりハマっていたら・・それこそ人を呼ぶ面倒臭い大騒ぎになっていることだろう・・
女将「・・なんなのよ・・これぇ・・オチまでちゃんと見届けなさいよっ!・・」
支配人「・・気ににゃってぇ・・しょうがにゃいにゃ・・」
使用人「・・わたくしもそこまで暇ではございませんよぉww・・でもぉ~・・なんなんですかねぇ・・忠告はしましたよぉ・・でも聞く気ゼロな感じww・・なんで聞いてくるんですかねぇ・・聞く気もないのにwww・・」
女将・支配人「・・しらねぇよっ!・・」

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女将の「おきみ」と申します~2歳の秋田犬やらせてもらっとります~今後よろしゅうたのんます~
しつこくて意地悪な性格と使用人からは言われとります~
何が悪いん?

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