女将「・・こんのガキィ~・・まぁた来やがったねぇ~・・勝負しろっ!・・コラァっ!・・」
支配人「・・また始まったにゃ・・」
女将「・・アタイの隣で・・いい度胸じゃねぇかよ・・オラァ!・・シカトこいてんじゃねぇぞっ!・・」
支配人「・・もうバレてるにゃ・・つながれてるってww・・」
女将「・・ちっくしょ~ぅ・・オラァ・・ヨシダぁ!・・行かせろっ!・・」
ついこないだ・・村を騒がせていたクマが御用となったのだが・・どうやらまた・・新しい暴君が村を騒がせている・・散歩をしていると・・いたるところに土を掘り返したようなクレーター・・どうやらこの暴君は・・ここで体をこすりつけ土浴びをしているようだ・・クレーターの大きさが・・スーパーヘビー級のボディを物語る・・村の猟師さんの話では・・100キロ級のボディで・・鹿用に仕掛けた4ミリのワイヤーでは止められないという・・くくり罠の仕掛けは単純で・・輪っかにしたワイヤーを通り道の地面に仕掛ける訳だが・・この輪っかに足などが入り・・テンションがかかると・・一気に強力なスプリングの力で輪っかを締め上げ・・御用となる・・かかった後は・・猟師が見回りに来るまで足か手をつながれた状態となる・・夜が明け・・空がしらずんで来ると・・焦りも最高潮となる・・早朝の女将の散歩中・・どうにか外れないかと暴れまわる鹿を目にすることがある・・足を捨てて逃げるか・・このまま猟師が来るのを待つか・・この二択しかないのだが・・仮に無理矢理ワイヤーを引きちぎれたとしても・・その足の腱などは切れ・・その場を逃れたとしても・・もう生き延びることはできないという・・その・・ワイヤーを・・このイノリンは・・100キロの巨体を猪突猛進のダッシュでぶち切るのだそうだ・・しかも・・四肢の頑丈さでノーダメージで暴れまわっているのだから・・猟師さん達も躍起になっているようだ・・ウチの畑の被害も尋常ではない・・南側西側に設置した柵は網を至る所破かれ崩壊・・みんなの食堂の出入り口となった・・カボチャは7割食べられ・・モロコシやスイカもオマケ付きの被害を受けた・・となりの師匠の畑のサツマイモも手当たり次第に食い散らかしている・・その・・サツマイモが育てられている場所が・・女将のすぐ横なのだから・・ワンワン警備保障をムキにさせるのに充分なのだ・・この暴君・・かなりの大食漢で村中の作物に手を出している模様・・かなりの恨みをかっているようだ・・この捕り物帖・・誰がどうやって仕留めるのか・・はたまた潜り抜けるのか・・成り行きが気になってしょうがない・・
女将「・・絶対に手に入れなさいよっ!・・ヨシダぁ!・・絶対にっ!・・あんのガキィ・・喰らい尽くしてやる・・」
使用人「・・いやぁ~~~クマの時みたいに話が廻ってくればいいですけどね・・おそらく無理でしょう・・」
鹿10頭に対し1頭の割合でしか獲れないというイノリン・・実際はもっと少ないのかもしれない・・猟師もたまのご褒美としてご馳走にありつきたいのであろう・・話が廻ってきたことは一度もない・・