・・「ガチャ～～～～ン」・・・・
真夜中に響き渡る異様な物音・・何かが叩き割られたような音に飛び起きる・・どうやら一階のキッチン方面から聞こえたようだ・・現状を確認する・・女将は・・吠えていない・・泥棒や賊の類なら間違いなく吠えているはずのワンワン警備保障・・寝室を見回すと・・支配人はいない・・その時点でほぼ確信する・・誰の仕業なのかを・・慌てて記憶を呼び起こす・・キッチンの入り口を閉めた記憶がない・・
使用人「・・はぁ～・・やっちまったかな・・」
めんどくさいが・・ほっとけないので見に行く・・すると・・支配人はもういない・・自分でもびっくりしてズラかったのだろう・・いったい何の音だったのか・・電気をつけると・・食器棚の上にのせていた土鍋が落ち・・見事に粉々になっていた・・幸い・・ビニールに包んで保管していたので・・まんまビニールの中で粉々状態・・飛び散らずには済んだ・・現行犯逮捕したわけではないので・・いちおう検証する・・地震でもない限り勝手に落ちることはあり得ない・・すると・・やはり・・ビニールに・・しがみついたような爪痕が数カ所・・棚の上には業務用の鰹節の大袋がおいてあり・・目的はそれ・・が・・鍋に行く手を阻まれ・・もがくうちに落下・・といったところか・・
使用人「・・支配人・・最近オイタが派手になってきたなぁ・・はぁ～・・なんで締め忘れたかな・・」
小さいながら・・ボディの身体能力向上が著しい支配人・・以前ならいけないトコへの跳躍が可能になってきた・・片付けて寝床へ戻ると・・何食わぬ顔で毛づくろい中の支配人・・ほとぼり冷めたら知らん顔・・自業自得と唱えながらケガのない事に安堵した・・
女将「・・安堵した・・じゃないのよ・・いらないのよ・・そんな報告・・さっさと行きなさいよ・・甘いの久し振りじゃないのさ・・」
支配人「・・オイラも食べれるやつがいいにゃ・・」
使用人「・・さぁ～さぁ～やってきましたよ！・・フルーツ王国の季節がぁ！・・信州が誇る秀逸な果物達を濃い玉のアイスとあわせます・・まずはこの方からっ！・・」

女将「・・ピーチ姫ね❤・・」
支配人「・・品種は・・『あかつき』ちゃんと・・『なつっこ』ちゃんですにゃ❤・・」
使用人「・・いやぁ～素晴らしいですね・・アイスにしちゃうのがもったいない・・つまみ食いが止まりませんよ・・果肉は刻み・・皮はソースづくりに活用します・・」女将「・・水と煮詰めていくわよ・・奪えるエキスは全て奪うわ❤・・」
支配人「・・こんにゃ出るにゃ！・・もう・・ピーチ姫にゃ❤・・ここに・・果肉を入れ・・砂糖と軽くにつめるにゃ・・」
使用人「・・今回も・・中層と表層にソースを入れて完成・・」

女将「・・桃ってぇ・・・・？・・いいの？・・食べても？・・」
支配人「・・桃はぁぁ～～～～～・・セーフですにゃ❤・・店頭でも通販でもOKですにゃ❤・・」
女将「・・ラッキー❤・・さっさとよこしなさぁぃ・・」
使用人「・・御意❤・・」