KOUSAKA KIKYOU

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嫌な予感・・・

春になりお日様の活動時間も日に日に長くなってきた夕暮れ時・・思わぬ来訪者に緊張感が高まる・・日頃からお世話になっている近所のSさん・・わざわざ落とし物を届けてくれた・・支配人ヨイチの首輪である・・
Sさん「・・なんかウチの近所の家の前に落ちてたんだってぇ・・ウチの犬のじゃないかって・・渡されたの・・」
かわいい柴犬や紀州犬など5~6頭飼っているSさん・・息子さんには畑の事や家の事でもお世話になり仲良くさせて頂いている・・が・・届けてくれたのはお母様・・首輪に付いているネームプレートを見て届けてくれた模様・・いったい支配人の身になにが・・・たしかに女将とじゃれ合っているときなど首輪が外されているときはあった・・が・・支配人が自ら外せたのは見たことが無い・・わざわざ届けて頂いたSさんに丁重にお礼を言い戻ってきた首輪を呆然と見つめる・・嫌な予感しかしない・・
女将「・・ただ外れちゃっただけだろぅ~・・考えすぎだよ・・」
一理ある・・何かと考えすぎて最悪のシナリオばかり浮かんでしまう・・これが人の子供だったら・・ランドセルだけ戻ってきたようなものである・・支配人の人懐っこい性格を考えると・・誘拐されて首輪だけ捨てられてもおかしくはない・・野犬の事も気にかかる・・村の中で野犬に襲われたとは考えにくいが・・もみ合っているうちに外れた可能性も捨てきれない・・
女将「・・じゃぁどうするってんだぃ?・・探しに行ったところで・・さらわれてんならこの辺にゃもう居ないだろぅ~・・たしかにアイツは弱い・・猫の中でも最弱でアホだよ・・でもアイツだって馬鹿じゃないよ・・自分が弱い事は百も承知・・命の危険を感じて・・そう簡単に捕まるとは思えないね・・」
一理ある・・犬や猫を飼い始めて勉強になったこと・・それは・・落ち着いて様子を見るという事・・ちょっと具合が悪いとすぐ病院に頼る傾向があったが・・2~3日様子をみるとなんでもなかったりすることが多々ある・・物事もしかり・・あわててトラブルを回避しようとして余計なことを模索し備えた結果・・無駄になる・・もちろん備えあれば患いなしというが・・起こりもしないトラブルを勝手に予測し無駄な策を弄す・・動かざること山のごとし・・ドンと構えて事の成り行きを見据える・・肝の据わった男になりたいものである・・
女将「・・ほらっ・・見ろっ・・」
小一時間後・・何事もなかったようにいつものご帰還の支配人・・毛づくろいを必死にする支配人に安堵する・・
支配人「・・にゃんにゃん?・・あっ・・やべっ・・首輪・・」
使用人「・・届いてますよ^^・・良かったですね^^・・」
女将「・・そりゃそうと・・捕まったのかい?・・あの子は・・」
使用人「・・あっ・・そうだっ!・・実は動画が届いてるんですよ~・・」
くくり罠作戦に切り替えた野良犬捕物帳・・動画を見る限り課題は多い・・せっかく慣れさせたくくり罠・・はじめは罠をかけずに餌だけで慣らす・・警戒心が取れて餌を食べるようになったところで・・くくり罠なのだが・・

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使用人「・・これがくくり罠です・・中の餌を引っ張ると・・筒上部に仕掛けられたワイヤーが・・バシュンッと・・首にかかるという設定なんですが・・」

女将「・・ははぁ~ん・・首まで入ってないわね・・鼻に浅くかかって抜けられてるじゃない・・」
使用人「・・もっと深い筒が必要ですね・・穴を掘るか・・」
女将「・・もう・・ここに首を突っ込まないわよww・・振り出しに戻ったわねww・・」
支配人「・・警戒心マックスにゃww・・」
使用人「・・慎重に慎重に事を運んでいたのに・・詰が甘かったですね~・・」
商売や人生においても言えることだが失った信用を取り戻すことほど難しい事は無い・・努力してきた何倍もの時間を必要とするものだ・・この子も人間に裏切られ・・この山にたどり着き・・そしてまたその人間に捕獲されようとしている・・もう食べ物すら容易に信用できなくなるだろう・・この子を見ていると考えてしまう・・保護され良い飼い主に巡り合うのが幸せなのか・・人間共に媚びず気高く自由を選び朽ち果てたとしても本望ではないのだろうかと・・

プロフィール写真

女将の「おきみ」と申します~2歳の秋田犬やらせてもらっとります~今後よろしゅうたのんます~
しつこくて意地悪な性格と使用人からは言われとります~
何が悪いん?

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