KOUSAKA KIKYOU

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グッジョブ❤・・

使用人「・・やばいな・・こりゃ・・出ちゃうなぁ・・あっつ・・」
女将「・・はぁ?・・何が出ちゃ・・あ~やっぱいい・・長いからいい・・」
使用人「・・ムフフ・・山菜甲子園のトップバッターですよぉ・・こりゃ出ちゃうなぁ・・」
支配人「・・うげぇぇぇ・・わかった!・・苦いやつにゃ・・」
季節の前倒しが止まらない・・まだ2月だというのに4月下旬並みの気温が炸裂・・今か今かと地中で待ちわびる若草色の新芽をたたき起こす・・そう・・ご存知ふきのとうである・・2年くらい前から2月に普通に目にするようになってきた・・年々この前倒しのスピードが加速しているせいだろうか・・冬が・・冬が短い・・厳しい信州の冬がヤワな信州の冬になるのが怖い・・冬好きの私にとっては悲しい限りである・・暖房光熱費は嬉しい限りではあるが・・
女将「・・そういやぁ・・ばぁちゃんの骨ちょうだい・・」
支配人「・・にゃっ!?・・ばぁちゃんの骨ぇ・・喰うきかおのれっ!・・」
女将「・・はぁ?・・アホかおのれぇ・・ふん・・アタイが埋めてやるんだよぉ・・花桃の木の下にさ・・」
使用人「・・あはは・・女将の鹿の骨も沢山埋まってますもんねぇ^^・・」
支配人「・・おいおい・・人間の骨にゃんて勝手に埋めて大丈夫にゃん?・・」
そう言われると不安なのでいちおう調べてみる・・先日亡くなった母の遺骨・・実家もいらないとの事なので私が全部頂いてきた・・お墓はいらない・・骨もどっかに散骨して欲しいと言っていたばぁちゃん・・この家の先代の主・・タツゾウさんの育てた立派な花桃の木の下に埋めてやることにした・・なんでも自己所有の土地であれば法律上セーフ・・ただし2ミリ以下に粉砕する事・・これは土地が他者に渡った場合・・「うわぁ~人骨が埋まってたぁ~!」・・とならない為の・・死体遺棄事件へ展開させない為の配慮らしい・・あくまで埋葬はせず自然葬の形・・土と混ぜ合わせなじませる・・
使用人「・・うへぇ~知りませんでしたよ・・樹木葬いいなぁ・・わたしも死んだら何かの栄養になりたい・・」
女将「・・ふん・・今年の花桃はいい花咲かせそうだねぇ・・」
支配人「・・ばぁちゃんの栄養タップりにゃwww・・」
葬儀・・なかなか慣れている人も少ないと思うが・・母の葬儀に至り実に興味深い職業に出会う・・家族を亡くし葬儀に携わった方ならお判りかもしれないが・・そう・・納棺師である・・
支配人「・・おくりびと・・にゃ・・」
女将「・・モッくんね❤・・」
葬儀の事など右も左も解らないわたし・・有難いことに姉がスマートに対応してくれた・・ふたりで棺桶に入る前の母に会いに行く・・葬儀や通夜に参列したことはあっても葬儀の内部に係るのは初体験のわたし・・いったい何が始まるのかと興味津々・・準備が整うのを待っていると・・ひとりの若い女性が出てきた・・おもむろに近寄る彼女は手にしていた小さな透明な袋を姉に渡す・・「えっ!?・・とれたんですかぁ!?・・」と驚く姉が手にしていたのは母の金色の指輪だった・・生前・・カットする以外に取る方法はないと・・指の節にガッチリとハマっていた指輪らしい・・驚愕する姉と共に部屋へ案内される・・6帖ほどの和室の上には人が寝たまま入れるような細長い移動式のバスタブ・・その上に横たわる安らかなヨシ・・顔以外にはタオルがかけられまさに最後の入浴前のヨシ・・そう・・湯灌(ゆかん)である・・死出の旅路の前に綺麗さっぱりしておこうというのである・・そこにもう一人・・先輩らしき若い女性が柔らかいトーンで説明を始める・・湯灌なんて言葉すら初耳のボウやな私は興味津々・・どうやら二人一組で進めてゆくようだ・・先輩らしき女性がボディ担当・・後輩らしき女性がヘッド担当・・とにかく穏やかな口調でヨシに寄り添うふたり・・わたしが思っていた以上にガッツリ入浴させてゆく・・正直・・濡れたタオルでふきあげる程度なのかと思っていたら大間違い・・髪の毛はシャンプーされ・・顔の産毛まで剃られ・・タオルの下のボディをくまなく洗ってゆく先輩・・足や手など手伝いやすそうな箇所を巧みな話術で手伝わせてくれる・・なんて穏やかなエネルギーで仕事をしているのだろうかと惚れ惚れしてしまう・・想像以上なメンテナンスを受け生前以上にクリーンアップされるヨシ・・いよいよお次はオメカシの時間・・そう・・死出の旅路の身支度である・・
使用人「・・いやぁ~初めて知りましたよ・・こういう仕事があるんですねぇ・・」
支配人「・・どうやったら納棺師ににゃれるんにゃ?・・」
女将「・・そういやぁ・・納棺師募集!・・なんて・・聞いたことないわねぇ・・」
国家資格の様なハードルがあるのだろうか・・得意の受け売りで軽く調べてみると・・どうやら葬儀系の専門学校に通うか葬儀会社に就職すれば学べるようで必須の国家資格や学歴はノープロブレムらしいが認定試験などはあるようだ・・しかし最大の難関は向き不向きにありそうだ・・地球上のどんな仕事より死者と向き合うこの仕事は誰にでもできる仕事ではない・・死体に慣れ・・親しみ・・問いかけ・・向き合う・・そして残された遺族とも向き合う・・かなりの強い精神力と高いコミュ能力・・半端な志しでは毎日死体と向き合えないだろう・・いやらしいが平均年収は300~400とのこと・・えっ?・・もっともらってもいいんじゃないと思えるほどだ・・ウソか誠か都市伝説なのかは解らないが10代の頃・・死体洗いというバイトがあると聞いた事がある・・うる覚えだが病院の地下で一体2万円で死体を洗うバイトだと聞いた・・納棺師の方に言わせれば・・なんて不謹慎な呼び名だと怒られそうだが・・そんな仕事が自分にできるかなぁ・・などと甘い誘惑につられ想像してみてはゾッとしていた・・そもそも・・身内の死体なら別に気持ち悪くもないが・・知らない人の死体に感情移入するのは難しい・・それを毎日毎日知らない人を送り出してゆく・・綺麗に死装束に死化粧を終えたヨシに杖を持たせ・・六文銭を抱かせる・・現代はリアルマネーはNGらしくプリントされた渡し賃に爆笑しそうになる・・そのくらい穏やかに和ませ落着いた所作で淡々とヨシを棺桶にフェードインさせていった・・
使用人「・・いやぁ~すごい職業ですねぇ・・ちょっと憧れちゃいましたよぉ・・」
支配人「・・うぇぇぇ・・オイラ絶対無理にゃ・・」
女将「・・アタイ・・食べちゃうかも・・」
使用人「・・怒られますよっ!・・」

プロフィール写真

女将の「おきみ」と申します~2歳の秋田犬やらせてもらっとります~今後よろしゅうたのんます~
しつこくて意地悪な性格と使用人からは言われとります~
何が悪いん?

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