いよいよ師走に入り冬将軍が本気モードの進軍を始めるころ・・年末恒例の仕込み地獄への行脚も駆け足で煽り始める・・
使用人「・・ふぅぅ・・これで良しッとぉ・・意外と早く片付いたなぁ・・」
女将「・・コラァ・・ヨイチィ!・・さっさと片付けなぁ!・・あっと言う間に日が暮れちまうよぉ・・」
支配人「・・ちっ・・めんどくさい事はみんにゃオイラにゃ・・にゃんにゃん?・・」
女将「・・ったりめ~だろぅ・・何日もサボりやがってぇ・・こっちにシワ寄せが来てんだよっ!・・ぅったく・・」
優先順位をはき違えないように進めてゆくが・・なぜか忙しい時に限ってイレギュラーな仕込みが舞い込み算段に狂いが生じ始める・・神に与えられた試練のように・・まるで自分が試されているようで挫けたい気持ちを留まらせる・・今回は待ったなしで訪れる怒涛の恒例仕込みの一部をご紹介・・
使用人「・・よし・・野沢菜漬けクリアー・・お次はと・・」
女将「・・大袈裟だねぇ~・・ぬぁにぃが怒涛の恒例仕込みだっつ~の・・」
支配人「・・お~~コワっ・・イラついてんにゃ・・近づかんとこwww・・」
今年も野沢菜間に合わず!・・案の定じわじわと遅れてしまった種まき・・申し訳なさ程度までしか育たずに今年も師匠達に甘える始末となった・・
女将「・・ふん・・最初から分かってたけどね・・アタイは・・」
使用人「・・残念ながら私もです・・自分で撒いといてぇ・・言うのもなんですがぁ・・撒きながらぁ~・・どうせ間に合わないだろうなぁ~・・なんて・・」
支配人「・・でたにゃ・・師匠のフンドシ相撲にゃwww・・」
師匠達から「勝手に刈り取ってっていいよぉ~」とのお言葉に甘え野沢菜をパクりに行く・・宿の向かいの山の合間にひっそりと広がる野沢菜畑・・ちょうど三分の一程度刈り取られている・・わたしも便乗して刈らせてもらう・・刈り取り始めて10分・・意外と進まない事に気付く・・先人達の刈り跡を観察すると・・使えなさそうな余計な葉はすべて畑に落としている・・ここであらかた綺麗にして収穫してゆくのだが・・これが意外と手間な作業なのだ・・絡み合う黄ばんだ古い葉を無造作に掃おうとすると野沢菜が折れやすいのだ・・延々と続くしゃがみ作業に気を遣う剪定と凍てつく風・・この畑(テニスコート位)にビッシリ育つ野沢菜達・・これを全部刈り取るのは骨の折れる作業といえる・・無論無料で頂いておいて文句などを垂れているのではなく・・只々野沢菜漬けが完成するまでの手間というものに感服していた・・小一時間かけ約20キロほど頂き・・刈り取った面積を見て愕然・・わずか畳2畳ほどしか進んでいなかった・・素人で遅いとはいえ大変手間のかかる作業と言える・・
女将「・・ふん・・いちいち値打ちつけるわねぇぇ・・」
支配人「・・いちいちからむにゃwww・・」
使用人「・・いえいえ・・真の値打ちはこれからです・・ここからはまさに戦場です・・あっ失礼・・洗浄です💦・・」
師走のこの時期に外での洗浄作業はまさに凍れる仕事・・だがこんな時の為に外水道もお湯が出るようにリメイク済み・・ぬるま湯で快適に洗ってゆく・・カラマツの葉が株本に入り込みうまく取れない・・量は大したことないが2日工程を予想していた野沢菜を1日で下漬けまでクリアー・・これは嬉しい誤算となった・・ルンルンで片付け・・意気揚々と女将を連れ散歩に繰り出す・・夕暮れ時・・村のメインストリートの帰り道・・次なる試練と出会う事になる・・失敬・・チャンスに出会う・・
マダム「・・あっオキミちゃん・・ちょうどよかった・・リンゴ・・沢山貰ったのぉ~・・これ持っていってぇ~・・」
最近は村の方へと下りたがる女将・・村のマダムにチヤホヤされてドヤ顔の彼女と大量のリンゴを抱え家路につくと・・このリンゴが只者ではないお宝であることに気付く・・

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マダムによれば鳥につつかれて使えない物らしい・・まさに鳥たちによる贅沢食いのリンゴたち・・ちょこっとつついちゃぁ別の玉・・これでは農家さんもたまらない・・しかしこのリンゴの真の価値はつついた穴の奥に見える秘密の花園・・
どえらい蜜の量とお宝の量にマダムに感謝!・・ちょうど店で使っている自家製のタレがきれていたので渡りに船状態に興奮する・・
使用人「・・このリンゴ・・滅茶苦茶旨い・・これでタレ作ったら旨いですよぉ・・ついてるなぁ・・」
女将「・・ふん・・アタイのおかげだろぅ~・・」
使用人「・・ぐっ・・たしかにあの時間・・散歩してなきゃ出会えなかったお宝・・」
支配人「・・どんだけドヤ顔にゃwww・・」
女将「・・いいよぉ~・・アタイのリンゴ使ってもぉ~・・それではタレづくりスタート❤・・」

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調味料はこれだけ・・砂糖と醤油・・これに大量の女将のリンゴと生姜・ニンニク・人参・玉葱・・コレを・・
フードプロセッサー君で滑らかになるまで粉砕・・寸胴鍋でコトコト煮込んでゆけば・・
女将「・・じゃ~ん・・女将のリンゴたっぷりソースのかんせ~い❤・・」
支配人「・・手柄総取りにゃwww・・」
すべて溶け込んでマリアージュされています・・このタレは常備しておくととにかく万能です!・・宿ではこれにバルサミコ酢をくわえステーキソースとして鹿ローストと提供しています・・生肉のもみダレでもよし・・焼肉スタイルでつけダレにしても合います・・野菜や豚バラを炒めてからめるだけでお店の味に早変わりです・・ドレッシングのベース素材としてもかなり使えます・・いつものお料理にサッとコクをプラスできるとても便利なアイテムです・・
女将「・・女将のリンゴたっぷりソース・・絶賛販売中でぇ~す❤・・」
支配人「・・結局売るんかいっ!・・」