使用人「・・いやぁ～急にどんどん秋めいてきましたねぇ・・」
女将「・・知らなぁ～い・・たしかに・・身体が少し楽ねぇ～・・ヨイチィ・・それちょうだいっ！・・パクゥ・・」
支配人「・・ふざけっ・・にゃっ！？・・もうにゃい・・ぬぅぅぅ・・このヤクザ犬がぁ・・」
使用人「・・あはは・・とにかく今年の夏もなんとか乗り切りましたねぇ・・ご苦労様でした＾＾・・」
夏の暑さと共にお客様も落ち着きだし・・ジェットコースターで駆け抜けた８月を振り返ると・・以外にもペット連れのお客様が少なかったことに気付く・・特に後半は女将や支配人とのふれあい旅のご家族や東京の頃からの常連さんが多かった・・とはいえ・・８月の頭の頃が遠い昔のように感じられるのは暑さで頭がやられているせいなのかと・・自慢の太陽光を訝しげに見上げる・・個人的にあまり好きではない夏だが・・おわり・・というのはなぜか祭りのあとの様なせつなさが残る・・そんな余韻に浸りながら夕暮れ時の畑へと向かう・・
支配人「・・にゃ～～つの🎵お～～わ～～り～～～ぃ🎵・・あっ🎵にゃ～～つのお～～わ～～り～～～ぃににゃ🎵・・」
女将「・・直太朗ね❤・・あんたそれ・・いつも夏の終わりに口ずさむわねぇ・・」
支配人「・・はぁ～～～・・にゃつの終りはぁ・・にゃおたろうに限るにゃ❤・・」
前回の凄腕スイカ泥棒の不法侵入騒ぎから一週間・・あらゆる可能性と油断を見直しセキュリティ強化に取り組んできた・・畑を始めて３年目・・ようやくやりたい事と余計な事の区別がつくようになり・・無駄がなくなってきた・・育てるモノを明確にプランニング・・これが私的には非常に大事で・・それまでは・・あっあれもいいなぁ・・これもチョットだけ・・などとできもしないキャパに手を広げては放置するという無駄を展開していた・・いわゆるヘタな横好きが浅く広くをこれでもかと繰り広げ・・結局いい物はチョットだけよの繰り返しに嫌気がさしていた・・まぁ・・右も左も解らずに見様見真似で始めた頃は・・妙にこっぱずかしかったのを思い出す・・「何がやりたいのぉ？」・・と師匠達から聞かれても・・なにも明確に答えられずにいたものだ・・師匠達の畑を見ていると必ず・・欲しいものとやりたいことが明確に決まっているのだ・・ネギはこれだけ植える・・ジャガイモはこのスペースでやる・・カボチャはココ・・スイカはコッチ・・と全てが明確にされているのだ・・余ったスペースでキュウリやトマト・・茄子にピーマンなどのロングランで採れるものを必要なだけやる・・これを真似してみただけで作業効率が格段に向上したのだから・・経験値という物だけは追い越せないと痛感する・・無論・・生産農家ではないので自分たちの力量に見合ったものを作れれば良いのだが・・どうせやるなら・・高品質・・高単価な物を育てられれば家計のやりくりも楽になるというものだ・・とくにフルーツ部門・・スーパーなどでも手に取るのをためらう様な高単価フルーツを自分で作れれば・・お客様の喜ぶ顔も拝め・・そして何よりも手間だけで済むという利点・・これはもう狙うしかないのだ・・そう・・そのさきがけがスイカ塾なのだ・・

今年のスイカは少数精鋭揃い・・糖度も申し分ない・・ゆえに・・虎視眈々と狙う小動物チームにくれてやれる余裕などないのだ・・
女将「・・・・もうね・・長いのよ・・でぇ？・・どうなったのよぉｗｗｗ・・」
使用人「・・ふっふっふっ・・あの侵入以来・・誰にも・・入られていませぇぇぇぇぇん！！！・・見て下さいっ！・・」畑の正面ゲート・・この赤外線センサーならぬ電気柵の包囲網を見よ・・これはトム・クルーズでも連れてこないと抜けられないだろう・・
支配人「・・まだわかんにゃいにゃｗｗｗ・・一度は入れた畑にゃｗｗｗ・・あいつらが諦めてるとは思えにゃいにゃｗｗｗ・・」
使用人「・・ごもっともでございます・・ここからが正念場・・気を引き締めて臨みたい所存であります・・」
女将「・・あ～～～～もういっかい・・ず～～～～～んて・・へこんでるトコ見たいわぁｗｗｗ・・」
支配人「・・にゃははははは・・ず～～～～～ん・・にゃｗｗｗ・・」
南側斜面の草刈り中に奴らの猛攻の痕跡を見つける・・南西側に張り巡らせた金網のフェンス・・雑草愚連隊の下からの突き上げにより・・弱冠浮いていた金網を下から潜り込み無理矢理侵入しているヤカラがいたのだ・・もちろん・・今年は電気柵をすべての作物を対象に張り巡らせている・・コッチからなら行けんじゃねぇ？・・と侵入してみたものの・・中にも電気柵がありあえなく退散した模様・・荒らされた形跡はないのだが・・目の前に見えるお宝と甘い芳香に電柵の前を右往左往するイノリンの足跡がもどかしげに残されていた・・もう・・いつ・・破られて入られてもおかしくない状況に・・怯える夜はまだまだ続く・・