今年の冬は雪が少ない・・北信の山の方では降っているようだが・・われら東信は全くといっていい・・そんなに降雪量も多くはない地域だが・・それにしても少ない・・畑もカラカラ・・東信の南の川上村のお客様もこないだ言っていたが・・例年のこの時期は畑に雪が残り・・その雪解け水で畑が潤うらしいのだが・・一切なし状態だと言う・・生産農家の方たちは春の植え付けに不安を感じているという・・
使用人「・・あっ・・Hさんだっ!・・早くしなくちゃ・・」
女将「・・えぇ?・・誰それぇ?・・」
自慢の太陽光にベランダで布団を干していると・・下の畑から煙が立ち上っている・・ウチの畑の大家さん・・Hさんだ・・この時期あまり畑でやることはないが・・切った木を燃やしているようだ・・チャンスとばかりに慌てて階段を駆け下り・・畑へと向かう・・そう・・本年度分の賃料を渡しに行くのだ・・
使用人「・・あっ・・おはようございますぅ^^・・今年もよろしくお願いしますぅ~・・」
Hさん「・・は~い宜しくねぇ・・」
聞けば今年88になるという・・
使用人「・・あっ・・米寿でしたっけぇ?・・それはそれはおめでとうございますぅ^^・・」
Hさん「・・もう俺も大した事できんよぉ・・」
いつも綺麗にしているH師匠の畑・・畑の身だしなみを態度で教えてくれているスーパーおじいちゃんだ・・毎年キチンと作物を育て・・キチンと収穫し・・キチンと畑を整備して春を迎える・・このルーティンを88で見事にこなす・・畑の広さもウチの畑の5~6倍はあろうかというのに・・たった一つの畑に悲鳴をあげている自分が恥ずかしくなる・・「いくつまでできるか解らんよ」・・などと言いながらもこなしているのだ・・香坂の昭和を支えてきた世代が晩年を迎えている・・この世代の方たちの勤勉さにはホトホト頭が下がる思いだ・・もっと・・もっと・・頑張らねばとコチラが励まされている気持ちになる・・
女将「・・畑の家賃ていくらなのよ?・・」
使用人「・・あっ・・前にも言ったかもしれませんが・・3000円です・・」
支配人「・・えっ?・・月ぃ?・・てことは・・年間・・36000円てことにゃ?・・」
使用人「・・あっ・・いえいえ・・1年です・・1年で3000円です・・」
東京の片田舎から来た私でも驚愕した・・どうやら3000円というのが・・大まかな村の相場らしい・・年間3000円で学校のプール位の畑が借りられるのだ・・これは・・遊ばせている農地がドンドン太陽光発電に染まる香坂のウリにできないだろうか・・と考えてしまう・・移住者も多い佐久で畑をやりたい世帯の需要がありそうなのだが・・いかんせん・・昭和の世代の断捨離として手っ取り早い太陽光に売られてしまう・・ご子息たちが香坂に住んで居ればその可能性もあるのだが・・正直・・年間3000円の家賃で誰も維持したがらないのが現状だろう・・

DSC_2945
使用人「・・米寿のお祝いにご子息様達が集まって・・温泉に行くらしいですよぉ^^・・」
女将「・・あら良かったじゃなぁい・・師匠も嬉しそうね・・」
支配人「・・えぇ?・・じっちゃんの事なの?・・師匠ってぇ?・・」
聞けば・・ちょこちょこ畑に遊び来てはジャレて遊んで貰っているらしい・・さすがは支配人・・私より顔が広い訳だ・・
師匠の畑も年々太陽光に切り売りしている・・一抹の不安は・・師匠が引退した後・・すべてが太陽光に売られてしまうという事・・もちろん売るも残すも師匠の勝手な訳だが・・都合のいい理想とはわかりながらも香坂の未来に不安を感じながら師匠とわかれた・・
使用人「・・いやぁ~~~香坂の先輩方は元気ですねぇ・・負けてられませんよぉ・・」
女将「・・はぁ?・・おまえさんとじゃ勝負になんないよ・・」
支配人「・・一つの畑もろくに面倒みれにゃい奴がほざくにゃやwww・・」
使用人「・・ぐふぅぅぅぅ~~・・それ言わんといてぇ・・と・・いつもならなるとこですがぁ!・・今年の私は違います!・・やってみせます!・・」
支配人「・・言い切ったにゃ・・」
女将「・・ふん・・口だけなら何とでも言えるわぁ・・吐いた唾は吞めないわよww・・」
使用人「・・御意❤・・」