女将「・・オラァ!・・ヨイチィ!・・ボォ~ッとしてんじゃないよっ!・・サッサとやれやぁ!・・ったく・・なんでこう・・年の瀬ってのは忙しいのかねぇ・・」
支配人「・・くるるぅぅぅ・・八つ当たりもいいトコにゃ・・ったく・・もうすぐクリスマスだってのに・・はぁ~つまんにゃい仕事だぜぇ・・にゃんにゃん?支配人て・・ただのパシリにゃん?・・」
使用人「・・ムフフ・・年の瀬になると・・毎年毎年・・どこも同じようなボヤキが出ますねぇww・・」
昭和・平成・令和と・・年末年始の過ごし方もだいぶ様変わりしてきたが・・ひとつだけ・・変わらないのは・・その忙しさだ・・今年の事は今年のうちにと・・クリスマス前までにはあらかた仕留めておきたいやる事のオンパレード・・メインイベントはやはり・・大掃除と言えよう・・どこまで・・どのレベルまでやるのかは世帯差はあるかと思うが・・ウチのメインは客間とキッチン・・といっても定期的にやっていることなので普段の延長戦程度で済むレベル・・思い起こせば飲食店を始めた頃の私はまだまだ意識が低く・・3年目位まで掃除をサボり・・溜めまくっていた・・するとどうなるか・・年末に要らぬ苦労をするハメになるのだ・・お金は貯めてもゴミと汚れは溜めてはいけない・・当たり前のことだがこれを・・日々の忙しさを言い訳にサボっていると年末大目玉・・さすがにゴミまでは溜めていなかったが・・レンジフードなどの油汚れのツケは・・かなりの強敵となって苦しむハメになる・・常日頃からサッと拭いておけば5分で済むことが・・一年溜めると一日仕事・・溜めた汚れは落ちづらい事この上なく・・強い洗剤で手は荒れクタクタとなる・・汚れは溜めると悪循環ということにアホはようやく気付き・・4年目から週一で店の大掃除をするようになった・・客席はカウンター8席・テーブル2席・座敷1席の18人位で満席のこじんまりした店だったが・・1人でキッチンからホールまでやると2時間・・そう・・週一で2時間かけて掃除をしていると年末の大掃除の必要がなくなったのだ・・週一で常にリセット・・定休日の午前中にやる事を必ず義務づけた・・やって当たり前という事を脳に徹底的に叩き込み・・身だしなみの底上げをボロイ店なりに頑張っていたなぁ・・などと年の瀬が来ると・・ひび割れ赤ぎれした手を見つめながら思いだしたりする・・
女将「・・何なのよ・・思い出したりする・・って?・・思い出に浸って脱線してんじゃねぇよ!・・大掃除あるあるかっ!・・」
使用人「・・よく脱線しますよねぇ・・写真とか領収書とか・・ナニコレ?懐かしいぃ~なんて・・見てたらハイ・・夕方確定・・」
支配人「・・いいから早くやれにゃ~っ!・・年末年始はぁ?・・オイラ達の休みはぁ?・・」
使用人「・・年明け空きがございますねぇ・・このまま・・予約が入らなければ・・お休みですね・・」
女将「・・というわけで・・1日~4日まで空いてまぁ~す・・御予約お待ちしてまぁ~す❤・・」