使用人「・・うわっ・・やぁばっ！・・これ・・やぁば・・」
女将「・・まぁ～た始まったよ・・秋になると毎年始まるのかい？・・」
使用人「・・だってホラっ！・・これですよぉ・・みて下さいよぉ・・これっ！・・ホラぁ・・」
支配人「・・あ～～～っもういいにゃ・・近いにゃ・・見飽きたし・・興味にゃいにゃ・・」
女将「・・いいから・・そこ・・旨そうじゃないのさ・・ちょっとよこしなさいよぉ・・」
香坂も実りの秋を迎え・・その恩恵に与り・・ご馳走を食べた獣たちも・・脂を蓄え冬支度にいそしみだす・・そう・・この時期から鹿の肉質は赤から鮮やかな金時色へと・・その身質を変えるのだ・・ナイフを入れると解かるのだが・・まとわりつくようなキメ細かさと・・ウットリするようなアズキ色に心を奪われる・・
使用人「・・見事だなぁ・・ホントに・・惚れ惚れしますね・・」
支配人「・・オマエだけにゃｗｗ・・」
女将「・・いいからその肋骨よこせぇ！・・」
鹿のあばら骨・・言わずと知れた・・スペアリブ・・ワンコに大人気の部位だ・・ほどよく肉をつけて干し上げると・・最高のおやつになる・・本来鹿肉は赤身肉でサシが肉質に入る事は無いのだが・・肉質の上に脂をまといだす・・スペアリブ廻りは脂も程よくつき・・他の部位の骨よりご馳走感が強い・・骨も柔らかく・・バリバリと嚙み砕き・・10分と持たない・・これをしゃぶっているときの女将は恍惚の表情を浮かべる・・
支配人「・・もういいにゃ・・鹿ばにゃしは・・ゲスカリいくにゃ～～～～っ！・・来たにゃ来たにゃ来たにゃ・・ついに来たにゃ！・・超大型犬にゃ！・・しかも・・二頭にゃ！・・けちょんけちょんにゃ！・・」
女将「・・ふんっ・・アンタ・・ずいぶん楽しそうねぇ・・今回はこの方たちでぇ～～～す❤・・」

支配人「・・グレートピレニーズのモモちゃんとペペちゃんにゃ❤・・間違いにゃいにゃ・・けちょんけちょんにゃｗｗｗ・・」
使用人「・・あの・・支配人？・・揉め事は勘弁してください・・わたくしも・・このクラスの・・スーパーヘビー級の揉め事の仲裁に入れる自信がございませんので・・煽らんとってください・・」
女将「・・おっきいわねぇ～～～！・・さすがのアタイも一瞬たじろいだわｗｗ・・」
使用人「・・ご主人いわく・・外にいたいというふたり・・寝る時も車にワイヤーでつながれていい子に佇む姿は圧巻でございました！・・」支配人「・・女将が小型犬みたいにゃｗｗｗ・・」
使用人「・・ホントなんですよｗｗ・・ふたりに遊んでもらった後に・・女将を見ると・・えっ？・・こんなに小さかったっけぇ？・・と・・錯覚しますｗｗ・・」
女将「・・ふん・・デカけりゃいいってもんじゃないわ・・あっ・・ご主人にお土産も頂いたのよねぇ❤・・」支配人「・・マイヤーレモンにゃ❤・・」
使用人「・・ホントありがたいですねぇ・・料理屋にとって・・レモンは欠かせません・・果汁に飾りに重宝しますからね・・しかも・・マイヤー種はオレンジとの自然配合から生まれた品種・・普通の檸檬に比べて糖度も高いのが特徴なんですよぉ・・」
女将「・・得意の・・受け売りだろ？・・その知識ｗｗ・・」
使用人「・・ドキッ！・・まっ・・まぁ助かりますよぉ・・柑橘系が育たない香坂で・・もぎたての檸檬は貴重ですよ・・ご主人ありがとうございました！・・」
支配人「・・それではモモちゃんペペちゃんありがとにゃ～～❤・・今度はぁ・・けちょんけちょんでぇ・・いいにゃっ❤・・」
女将「・・調子ん乗んな・・オラァ！・・」
使用人「・・しっ・・支配に～～～～～ん！・・」