女将「・・早くしろ～～～～っ・・早くしろ～～～～～っ・・何もたもたしてんのさ・・」
いつものように凄まじいプレッシャーをかけてくる・・散歩前の女将・・
使用人「・・ハイハイ・・今行きますよぉ～・・そんなに・・あおらんとって下さいよぉ・・」
この季節の朝の散歩は実に気持ちがいい・・ド濃い青空・・勝手に香坂ブルーなどとよんでいるが・・この濃い青空は都会では拝めない・・香坂ブルーに映える緑の山々達を眺めながら歩いていると・・竹やぶの前でモゾモゾ動く黒い小動物・・途端にスイッチが入る女将・・ん・・猫か・・？・・猫の動きではない・・興奮ボルテージマックスの女将を何とか制御しながら近づくと・・急に緊張がはしる・・
使用人「・・えっ・・！・・？・・ウソっ・・えっ？・・マジっ？・・」
わが目を疑いながら・・急にキョロキョロしだし辺りを警戒する・・どこか・・具合でも悪いのか動きが鈍い・・近づいてくる女将に・・のそのそ竹やぶの中へ避難する・・間違いない・・月の輪熊の子熊ちゃんだ・・
女将「・・うっとぉしいねぇ・・早くリードはずせっ！・・アタイのシマで何やってんだい・・」
使用人「・・ちょちょ・・ダメですよぉ・・可愛い子供じゃないですかぁ・・」
ウチに来て頂いた方なら解るかもしれないが・・宿の裏の道は・・グルッと畑を一区画一周できる・・お手軽の散歩コースでもあり・・２０分位で回れる・・そのコース内の・・まさに宿の北側にある竹やぶに居たのだ・・子熊が単体でいるなどありえない・・きっと近くに親熊もいるはず・・フルパワーで引っ張る女将をフルパワーで引きずるように・・そそくさとその場を離れる・・やばい・・ヤバイ・・ただでさえヤバイ月の輪熊・・子供の事となれば血まなこになるのは容易に想像もつく・・何よりも近い・・宿のすぐ裏なのだ・・１００m程離れた頃・・前から走ってくる軽トラ・・この村の区長だ・・
区長「・・今そこに・・クマいたでしょ・・」
どうやら事情を知っていそうだ・・
使用人「・・超かわいい子熊がいましたよぉ・・なんですか・・あれ？・・」
区長「・・さっき降りてくるとき・・子熊を撥ねたんだよ・・」
使用人「・・えっ・・？・・軽トラで？・・撥ねたの？・・」
相変わらずファンキーな区長だ・・ワザとか偶然かは知らないが・・どうやら撥ねた後の子熊をフォークのオバケのような農具で・・すくって山の上まで連れて行こうとしてたらしい・・詳しく聞いていると・・クマはシカのように駆除できずに捕獲した場合・・山の上まで連れて行き放す・・これの繰り返しなのだという・・近年ではこれも飽和状態・・縄張りなどの関係もあり・・上げても降りてくるしかなくなっているという・・
区長「・・じゃぁ・・市役所に連絡しとくから・・もし・・場所を聞きに来たら・・吉田さん教えてあげて・・」
女将のプレッシャーに子熊も竹やぶの奥へと隠れてしまい・・役所にまかせ家へ戻る・・でも・・すぐそこにまだいるのだ・・いつ親熊が来るか気が気ではない・・
女将「・・見ない顔だったねぇ・・さっきの黒いの・・」
使用人「・・ちょくちょく見てたら大変ですよぉ・・支配人も気を付けて下さいねぇ・・」
支配人「・・ビビらすにゃや・・さぁ～ではいきましょうっ！・・今回のゲスカリはぁ～～～～この子達にゃ❤・・」

女将「・・都会のギャルたちよ❤・・ラブラドゥードルのケイちゃんファミリーで～す❤・・」
支配人「・・ラブラドゥードルぅ・・？・・はじめてにゃっ！・・初めて見るにゃ❤・・」
使用人「・・私もです・・近年の犬種の多さも半端ではありません・・完全に勉強不足です・・ラブラドールレトリバーとプードルのミックスなんですねぇ～❤・・やはり３頭いると群れ意識が半端ないですね・・私も全然仲間に入れてもらえませんでしたｗｗ」
女将「・・しかもみんな鹿肉だぁ～い好きなのよねぇ❤・・」
支配人「・・うげぇ～・・よく食うにゃ・・それにしても・・みんにゃ・・オシャレにゃ・・首輪も可愛いにゃ❤・・」
使用人「・・そうなんですよぉ・・しかも首輪やリードはなんとっ・・ご主人の手作りっ！・・今人気のパラコードで編んでるんですよぉ・・しかもしかもしかも～～～～～～～っ！・・なんと女将にも編んで頂いたんですよねぇ・・これはゲスラグのコーナーでご紹介しますね❤・・」
女将「・・この首輪・・すごく楽なのよ・・色も可愛い❤・・」
使用人「・・良かったですね＾＾・・普段から鹿肉のフードをあげているとの事で・・鹿への食いつきが半端ありませんっ❤・・鹿さんとともに頑張ってきてホント嬉しい限りです・・ジャーキーも沢山買って頂きありがとうございました❤・・」
支配人「・・いいにゃ～いいにゃ～❤・・パラコード・・オイラも欲しいにゃ❤・・」
女将「・・でました・・おねだりｗｗ・・きっと・・またすぐ会える気がするわ❤・・」