最近は本当に日の出がはやくなった・・４時半過ぎから薄明かるくなってきている・・それに合わせもちろん女将のソワソワも始まりだす・・煽られるように起きだし・・二階のトイレへ駆け込む・・
使用人「・・あれっ・・あれっ？・・玉切れかぁ？・・」
スイッチをカチカチ・・電気がつかない・・しようがなく一階のトイレへ向かおうと階段の電気をつける・・つかない・・寝起きの頭をフル回転・・同時に玉切れはないだろう・・ということは・・ヤバイ・・落ちている・・ブレーカーである・・
使用人「・・うそでしょっ！・・」
一気に目が覚め慌ててブレーカーへ向かう・・大量に電気を使い落ちたのなら理解できるが・・夜中に落ちたということは・・嫌な予感しかしない・・やはり漏電ブレーカーが落ちている・・お客様がお泊りでない日で安堵したが・・ランチの予約が入っているため早急に解決しなければならない・・とにかく一番心配なのは冷蔵庫と冷凍ストッカー達・・確認すると温度はあがっていない・・つい先ほど漏電が始まったようだ・・そんなこと御構い無しに煽りをくれてくる女将のプレッシャーに負け・・顔も洗わず散歩を済ませる・・まずい・・まずい・・まずい・・どうする・・
女将「・・やけに慌ててるじゃないのさっ・・うわのそらで連れまわすんじゃないよっ・・」
使用人「・・すいません・・電気がぁ～・・電気がぁ～・・つかないんですよぉ～～～～～～～」
女将「・・落ち着けっ！ヨシダぁ～・・おまえさんの頭までショートしてちゃ直しようがないだろぅ・・」
とにかくひとつづつ・・確認していくしかない・・ブレーカーには分電ブレーカーというものがありキッチンはキッチンのみ・・客間は客間のみ・・二階は二階のみと・・ウチのブレーカーは五個に分電されていた・・これを一度全部おろす・・これで全ての電気が止まっている状態・・そして漏電ブレーカーをあげる・・もちろん分電ブレーカー五個が下りているので漏電の感知はしない・・ここからひとつづつ上げてゆき・・どこの部屋で漏電が起きているのかを確かめる・・客間と冷蔵庫でない事をひたすら祈る・・
使用人「・・ひとつめ・・上げますよ～・・カチッと」
女将「・・あっ・・フロントの方・・点いたぁ～・・」
漏電ブレーカーは反応なし・・二個目・・三個目と反応なし・・この時点で客間と冷蔵庫群はクリアー・・ほっと肩をなでおろす・・四個目・・漏電ブレーカーがおちた・・古民家ならではの・・よくわからない分電の仕方で・・なぜかキッチンの半分とキッチン外の電源だった・・判明したところで四個目以外のブレーカーは上げても問題なし・・現状で使えない物をチェックすると・・キッチンの照明・・換気扇・・ガス給湯器だった・・お湯がでない・・とりあえずフロントの方から延長コードでつなぎ問題解決・・ランチのお客様を迎えられる喜びに震えながら漏電箇所を探る・・と・・二カ所ほどアヤシイビニールテープ仕様の配線を見つける・・わたしがつないだ配線だった・・
女将「・・テメエのしわざかよっ！」
使用人「・・それ以上いわんといて・・」